2010-08-25

あなたのお名前ナンデスカ? 20年来の謎解きに挑戦:ナベ篇

後列左のフライパンは自主購入のビタクラフト
鍋の取っ手が壊れてしまった。結婚祝いに貰って以来、ずうっと使ってきた愛用のセット鍋のが。実は取っ手が壊れたのは2つ目で、ひとつ目が壊れた時には使用頻度が低い鍋の取っ手を高い鍋に付け替えて、何とか使っていた。でも2つも取っ手無しの鍋ができるなると、我が家のクッキング工程に多大な影響を及ぼしてしまう。20数年前の鍋だけど(う…、歳がバレる…)、何とか取っ手だけ入手して付けて、鍋を再生させることはできないだろうか。

私はこの鍋セットはビタクラフトのものだと信じていた。結婚当初我が家では、丸元淑生氏の料理本がブームで、その丸元淑生氏が著作で強烈に薦めていたのがビタクラフトの鍋だった。(丸元淑生氏の料理本はこちら↓ 今でも十分おもしろくて時々見返す栄養学に基づいたクッキング理論です)


丸元氏はビタクラフトの鍋は多層構造で無水調理ができて、最小のエネルギーで最大の栄養が引き出せる云々と絶賛している。うちの貰ったお鍋はそれによく似ている。そうか、これはビタクラフトなんだ。なんて素敵な品物を貰ったんだろう!と私は思いこんだ(のかなあ)。それ以来、うちには高価なビタクラフトの鍋セットがあることになっていた。事あるごとに人にも吹聴していた。ある展示会でビタクラフトのコーナーを見つけた時には、ブースに立っていた人にすすすと近寄っていって、「うちのお鍋はぜーんぶビタクラフトなんですよ~」と親近感いっぱいに話しかけたくらいだ。

丸元理論と立派なお鍋セットで調理術を身に付けたうちのCCO(チーフ・クッキング・オフィサー=夫)が、セットには入っていなかったフライパンがほしいと言い出した時も、ビタクラフトのフライパンは当時3万円くらいしたんだけど、購入許可決済をしたものだった。(ビタクラフトのお鍋はこちら↓ 今はいろんなシリーズが出ているね)


だから、取っ手が壊れても、取っ手さえ付け替えればこの高価な鍋はまだまだ使えるとビタクラフトのカスタマーサービスにコンタクトしたのでした。「20数年前の型番もわからない鍋ですが、取っ手はありますでしょうか?」と。カスタマーサービスの対応は気持ちがよかったよ。何点か写真を送ってくれて、この中のどれかにお持ちの品は該当しますか?と聞いてきた。自分たちで買ったフライパンは確かにその中の一つだったんだけど、貰いものの鍋と同じものは無い。だから、私も自分の鍋の写真を撮って送った。

翌朝にすぐにビタクラフトさんから電話をもらった時には驚いた。 うわー、取っ手が明日にでもついて、またすぐにリッチなクッキングライフ(私にとってはイーティングライフ)が楽しめるかなーと嬉しくなった。でも電話をかけてくれたMr.ビタクラフトの口調は違った。言いにくそうに言うのだ。「これはビタクラフトの製品では無いようです」と。ええー? 20数年もビタクラフトと思って使ってきたお鍋が、違うものだったの? 結婚祝いにパチモン(注:Gがよく使う関西弁:ニセモノのこと)を貰っちゃったのかしら。電話口でMr.ビタクラフトは、20数年前に発売されていたビタクラフトに似た形の鍋のブランド名を教えてくれた。ネットなどで当たってみたらどうか、というわけだ。ナント16ブランドもあったよ。あと、鍋についている刻印の見方も教えてくれた。ビタクラフトなら取っ手の反対側の鍋の外側の左に絶対型番があるはずだから、と。

しかし、20数年も使っているお鍋だからね。側面はもう真っ黒で何も分からないのよ。刻印が無い商品なんてあるのかな? もしかしてこの鍋シリーズって、密造品とかサンプルとか、なんかヤバいものだったのかな? と思いながら、うちにある5つの鍋を一つ一つ見て、指で側面をなぞっていった。そしたら、あったよ!側面の刻印が見えるものが!

そこには「New Era」と書いてあった。ニュー・エラ 「新しい時代」!!?

さっそく検索して出てきたのは、(野球帽ばっかりでなかなか鍋は出てこなかったけど)、T304ステンレススチールの7層構造鍋を作っているという鍋メーカーだった。(⇒New Era Incはこちら) でもアメリカに多いダイレクトセールス(=無店舗販売)のメーカーらしく、どのリンクをクリックしても「あなたの担当ディストリビューターにコンタクトしてください」と出てきて直接メーカーに連絡することができない。担当ディストリビューターは知らないし…(もしかして、この鍋セットをくれた人=私の母親がディストリビューターか?)。いったいどうすればこの鍋セットに新しい取っ手をつけて、T304ステンレスの多層構造クッキングライフをまた楽しめるようになるんだろうか…。

この件が勃発したおかげで、いろいろネットで検索して、ニュー・エラはビタクラフトよりけっこういい鍋だということも分かった。確かに、自分たちで買い足したフライパンは、なんか感触が軽いものね。(突然ビタクラフト軽視派になってしまった)
ニュー・エラはやっとこさ見つけたInfo@にメールを送って、取っ手を何とか入手したいんだけどと訴えているところだ。どんな返事が来るかは乞うご期待。私もちょっぴりの不安と大いなる期待いっぱいで待っているところです。

⇒後日談:この件はその後1カ月くらいかかったけど、アメリカに取っ手代と送料を送金して、日本まで送って貰うことができた。届いた取っ手は今まで使っていたものとまったく同じシェイプで、まるで当たり前のように鍋に取り付けることができた。20数年もほんのわずかなデザイン変更もしないでいるなんて、日本のブランドじゃあ考えられないけれどね。とにかく、このずっしりと重い鍋シリーズがいよいよ持てなくなる日が来るまで、使い続けるぞ!

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