読んだ本、聴いた本リスト(2021年2月~)

聴き読みした本リスト(最終Update 2024.3.11.)
アマゾンPRIMEリーディング
どんどん貯まる聴き読の本を、ここにリストするのを楽しみにしていた。
本の表紙も Amazon アフィリエイトで画像を出して。

それが2024年になったら全部消えてしまった。規約が変わったそうで。
もう20年もウェブサイト作っていて、ずっと本のリストをしていたのに。ひどいなあ。

新しいやり方で画像を出すのは大変面倒くさくなったので、当分は面白かった本だけ画像を出すことにする。
消えてしまった過去の画像は、、、悔しいけど、ほぼ放置。
本を聴きながらジムをするのはもう やめられないけどね。





富山から日本を見ると By 永 六輔
二泊3日の入院中、手術を終えた夜8時ごろから聴いた永六輔さんの講演会。夫を早死にさせて、自分は長生きしましょうとか。同い年の人たちと毎年1万円積み立てて、最後に生き残った人が全部もらうことにすれば、みんな長生きしますとか。ブラックで面白かった。おかげで痛みも感じずぐっすり眠れて、朝の3時頃目が覚めた。 (2024年3月に聴いた 240311)


慶應MCC夕学セレクション「科学ニッポン最前線」 By 立花 隆
2泊3日の入院中に聞いた講演会。手術の前の夜、病院ですることがなくて、夜8時ぐらいから聞き始めた。あっという間に眠ってしまいました。ありがとうございました。でも10時半ぐらいに。目が覚めちゃって。結局、眠剤をもらって安眠できた。(2024年3月に聴いた 240311)


面白く聞いた一作目の続編。同じような展開にちょっと飽きたけど、さすが林真理子。台詞の一つ一つが面白いです。(2024年3月に聴いた 240311)


崩れる脳を抱きしめて 著者:知念 実希人
なんかこの話知ってるなあと思ったら。 2020年の3月に品川図書館で借りてた。大して面白くもない内容だったけど、どういう種明かしだったか思い出せなくて、結局最後まで聴いてしまった。うじうじ研修医だった主人公が突然空手の達人になって、襲ってくる悪人どもをバッタバッタと蹴り倒すのは変じゃない?(2024年3月に聴いた 240311)


不朽の名作と紹介文にあるけど、そんな印象ではないな。天使が登場して死にそうな人、死んじゃった人と関わるの話は前もほかの著者で読んだし。それなりのメルヘンだけど主人公が中学生だから、還暦過ぎの私には幼い話しすぎた。(2024年2月に聴いた 240311)


高瀬庄左衛門御留書 著者:砂原 浩太朗
直木賞候補になった作品なんだそうだけど、なんだかストーリーがダラダラしていて、ナレーションはよく聞き取れないし、途中でやめてしまった。ナレーターの声が小さすぎるんじゃないの? (2024年2月に途中まで聴いた 240311)


患者の心の声が聞こえる魔法の聴診器で、終末期の患者を癒して行く。い女医さんの物語。面白いんだけど、そんなことわかってもこの人どうせ死んじゃうんだしと思うとちょっと虚しい展開だ。(2024年2月に聴いた 240311)


「教養としての歴史小説」という本で歴史小説の書き方を面白く解説している著者の作品。
なるほど、江戸時代の庶民や任侠やお侍の暮らしや、さまざまな剣術などなど、次々てんこ盛りで出てくる盛りだくさんな内容。今まで自分で楽しく読んできたいろんな時代小説を、パッチワークみたいに切り張りしてシャッフルしてこね上げこんな感じになるんだろうか。作戦勝ちですね。(2024年2月に聴いた 240311)


実在した九代将軍、家重のお話。脳性麻痺で言葉が不自由だけど、ただ一人だけその言葉がわかる人がいたという、仰天のストーリーも実話。ウィキペディアで事実を確かめながら面白く聞いた。(2024年2月に聴いた 240311)


癒しの小説とでも言うのか、この人の本はそういうイメージで、今までなんとなく敬遠していた。やっぱりイメージどおりだった。ひねくれ者の私でも素直に面白いと思えたけれど。
優しい人たちばかりが出てくる良い小説です。 (2024年1月に聴いた 240311)


日経新聞の書評で見つけて図書館に入れ、何ヶ月も待ってやっと届いた本。
300ページの翻訳ものを読む気力や体力がまだ残ってるかなとちょっと心配だったんだけど。
最初はなかなか入り込めなくて(名前や関係が難しい)。最初の10日ぐらいはすぐ寝落ちしたりしてましたが、後半になったらもう面白くて。

「美術探偵、ナチ地下世界を往く」の本のサブタイトルの通り、20世紀のナチスの歴史や、その後の東ドイツのソ連軍の占領、そこに生きたナチの残党、ナチスの子孫たちが、今もこんな風に絡み合っているんだ、、、と全く関係のない世界に生きている私にも、その内幕はものすごく面白かった。
読んだことを自慢しつつ、本好きの友人には必ずおすすめしたい本だ。(2024年1月に読んだ 240131)


ミステリーとかサスペンスの小説は、謎解きは面白いんだけど、暴力シーンはちょっと遠慮したいし(早送りで飛ばしちゃうんだけど面倒くさい)、展開によっては気持ちが荒んだりするので当たり外れがあると思っている。
その点、宮部みゆきさんは安心して読めるし、ストーリーも面白い。
ずっと前に読んだ「誰かーサムバディ」を聞いて、主人公の杉村三郎さんがシリーズ化されていることを知った。この後の続編では幸せだったはずの結婚生活を辞めるらしい。
この第二作に出てくる毒の女性。生まれつき何に対しても怒っているという設定なんだけど、本当にそんな気質があるんだろうか。あるんだろうな。
時々聞くにはちょうどいいと思う。ジムもはかどります。(2024年1月に聴いた 240131)


赤と青とエスキース 著者:青山 美智子
書評が良かったからダウンロードしたと思うんだけど、私(=おばさん)にはちょっと物足りなかったな。
若い男女が異国で出会って、お互いに無い所に惹かれ合っておずおずと愛し合う。
そして、そこに一枚の絵が絡み、とてもロマンチックで素敵なんだけど、、
でも、なんでこの男の子がこの情けない女の子が好きになるのかよくわかんなかった。 (2024年1月に聴いた 240131)


児童虐待がテーマの、決して明るく楽しくはないお話。
でも陰惨な話の合い間に出てくる家族の愛情や友情に、ところどころ救われる。
「あまちゃん」の主役をした彼女がナレーションをしているというのも、強調されている。
聞いている間は、そんなこと思い出さないぐらい上手だったよ。(2023年12月に聴いた 240126)

緩和ケア医が、がんになって 著者:大橋 洋平
オーディブルのおすすめで出てきてダウンロード。母がガンだったけど、麻薬の処方でちっとも痛がらなかったので、がんてこんなに苦しいのかと驚いた。
100キロを超える大食漢だったのに、胃の切除後は食べられない・横になれない。
本当にお気の毒だ。
2018年にわかったがんは、余命幾ばくかという状態。肝臓に転移もしたと。
今はどうされてるのかなと恐る恐るお名前で検索したら、何と。「まだ。生きてます」とユーチューブも発信。本もその後三冊も出されて。なので連続して、オーディブルになっている三冊拝聴しました。(2023年12月 240126)
がんを生きる緩和ケア医が答える命の質問58 By 大橋 洋平 2024年1月
緩和ケア医 がんを生きる31の奇跡 著者:大橋 洋平 2024年1月

爆弾 著者:呉 勝浩
ミステリーの賞を取ったそうでダウンロードしたけど、、。
テロ的な爆弾の爆発を予言している風の容疑者とのやり取りは最初は面白かったけど。
そのカラクリや真犯人たちの動機がわかった時、けっこうゲンナリ。
なに、その設定…。奇をてらいすぎ。(2023年12月 240126)

女官 明治宮中出仕の記 著者:山川 三千子
明治の頃のお嬢さまのお仕事体験記。皇室を内側から見てる話は、じっくり聞けば面白いと思うんだけど。ジムでガヤガヤしている中だとなかなか集中できなくて。
時々思い出した時に、ちょっとずつ聞くのはいいかも。(2023年12月から聴いてる 240126)


滔々と紅 著者:志坂 圭

「本のサナギ大賞」というから未熟なのかと思ったらなかなかどうして明るく楽しく聴くことができた。最後花魁から足抜けして長崎に移り住み、家族を知る人ととも再会できたというエピソードもよかった。(2023年12月に聞いた 231213)



蜩ノ記 著者:葉室 麟

オーディブル初期の頃からずっと検索上位に出てきたんだけど、あらすじが暗くてずっと選ばずにいた。
聞いてみたらやっぱりそんな感じ。昔のお侍はこういうこと(無実の罪でも誰かへの義理だか礼儀だかで、自分の命を投げ出すのも厭わない)もよくあったのかもしれないけれど、なんだかなあ。(2023年11月に聴いた 231213)



春、バーニーズで 著者:吉田 修一

どうやら続編を聞いてしまったみたいで、なんだか登場人物の関係と理由がよくわからなかった。
最後にますますわけのわからない話が出てきてちんぷんかんぷんで終わったんだけど、どうやらそれは別の短編だったみたいで。
一つの小説が終わって次の話が始まるとわかるようにちゃんとナレーションを区切って欲しいものだ。
じゃあこの話の元の小説を聞くかっていうと、うーん、、、もとの話を見つける前にこの話を忘れちゃいそうだ。(2023年11月に聴いた 231213)



大富豪同心 1 八巻卯之吉 放蕩記 著者:幡 大介

なんとも軽い時代小説。大金もちの商家の跡取りじゃない孫が、おじいちゃんにお金で同心の株を買ってもらって、おじいちゃんの至れり尽くせりのサポートのもと事件をなんとなく解決して行く。
1とあるから続き物とわかるけど、30何巻まで出ているとはびっくり。
満員電車の中で現実を忘れてポケッと聴くのにちょうどいいのかな。(2023年11月に聴いた 231213)




ヤクザの話なんて心が荒むから聞くもんじゃないとわかっているけど、
主人公の素人さんと腐れ縁のヤクザとのやり取りが面白くてついつい最後まで聞いてしまった。
たくさんの人たちが出てくる落語を聞いているような、ナレーターの声音の使い分けがとっても上手で、
関西弁のヤクザが乗り移ったような気分になって困った。
この本を聞いてからだな、私の心持があまり良くないのは。(2023年11月に聴いた 231213)



まるまるの毬 著者:西條 奈加

賞を取った作品を検索して出てきた、ほのぼの時代小説。
江戸時代のお菓子屋一家のお話。普通の商人一家と思いきや、主人公の祖父は将軍の血を引く元侍。孫の看板娘は平戸の大名家に嫁ぐ恋が破れて、これからの続編に期待させる展開。
心は和むし、とってもよくできている。(2023年11月に聴いた 231213)



流浪の月 著者:凪良 ゆう

最初は気がつかなかったけど聴き始めてすぐに、あ、この本は新聞の書評で見てこんな本読むもんかと思ったことを思い出した。
だっていわゆる少女誘拐事件が題材だから。
でも誘拐事件は本人達にとっては誘拐でも事件でもなく、こんな事情があったのだというのを本人たちの独白仕立てで解き明かして行く。
もちろん創作なんだろうけれども、最後は誘拐した側と言われている人とされた側と言われている人たちの行く末を願わずにはいられなくなった。(2023年10月に聴いた 231114)



老後とピアノ 著者:稲垣 えみ子

あのアプロヘアの元朝日新聞記者さんのピアノレッスン挑戦記。
たしか電気のない生活をしておられるのではなかったでしたっけ。
ピアノの練習も知り合いのカフェでされるなど、最初はちょっと驚いた。
聞かされる人は嫌だろうなと。
でも練習した曲リストを見るとなかなか難しい曲ばかりなので、レベルはそれなりだったのかな。 (2023年10月に聴いた 231114)



正欲 著者:朝井 リョウ

人間以外に性欲を感じてしまう人たちの孤独と寄り添いとでも言うべきか。
設定にびっくりしたけれど、主人公たちの心情や取り巻くそれ以外の人たちの反応は、 そうなるよねえという感じで、大変まっとうなストーリーと思った。(2023年10月に聴いた 231114)



死神の精度 著者:伊坂 幸太郎

とぼけた感じがなかなかユーモラスな死神が、お迎えにやって来る。
死神が迎えに来るのは事故死をする人ばかりで、なぜそれが起こるのか が小説になっている。

ストーリーも単純なので 聞き流していたら、どうやら 最後のエピソードで全部繋がっていたようだ。
それを聞き逃したので 図書館で同じ本を借りて確認しようと思う。(2023年10月に聴いた 231114)



月の立つ林で 著者:青山 美智子

最後で一つにつながるオムニバスの映画を観ているような、心地よい小説集だった。
聴き終えた後も、最初の話の主役だったあの人が、ここに出てきてこうつながるのかと、
頭の中でパズルを組み立てるのが楽しかった。
那須塩原で時々見ていた月に、ますます興味が持てたのもこの小説のおかげだ。
特に印象に残ったのは、月は2分間で月一つ分移動すること。
その時はへーと思ったんだけど、本当にそうだったっけなと図書館で借り直して確認した。
たくさんのへえーがこの小説にはあった。(2023年10月に聴いた 231018+240325)



心眼 著者:相場 英雄

あんまりこういうのを読んだことなかったけど、つまり ハードボイルドな刑事小説ってことかな?

それでも部署の半分の刑事が女性で、共働きで子育て中だったり
マッチョなだけではなくて男女共同参画も一応出てきます。(2023年10月に聴いた 231018)



川のほとりに立つ者は 著者:寺地 はるな

事情がある人たち、優しい人たちがこれでもかと登場する小説。
毒なんて微塵もない。( 2023年9月に聴いた 231014)




李王家の縁談 著者:林 真理子

私が知っている李方子さんは戦後韓国に住んでいて福祉事業家だった。
これはそうなる前の話なんだなあ。
もちろん歴史的事実として面白く興味深く聞いた。(2023年9月に聴いた 231014)



合理的にあり得ない 上水流涼子の解明 著者:柚月 裕子

天海祐希主演でテレビドラマかと言われれば納得の内容。
いいなこういう内容と作風のビジネスモデル。儲かりそう。(2023年9月に聴いた 231014)




本朝金瓶梅 著者:林 真理子

下の同志少女があまりにも凄かったので軽い話が聞きたくて
江戸時代の描写や、その頃の言葉での性描写は面白かった。
続編も出てるみたいだけど、もういいかな。(2023年9月に聴いた 231014)




同志少女よ、敵を撃て 著者:逢坂 冬馬

ウクライナ戦争の前からずっとベストセラーの一位だったのは知ってるんだけど
漫画風の表紙なので、ゲーム世代向きの話なのかなと手が出なかった。

ところがどっこい、ソビエト連邦ができた頃の壮大な歴史の裏側の話だった。 (2023年8月に聴いた 231014)




養老院より大学院 著者:内館 牧子

著者50代の頃、東北大学の大学院で相撲と女性の学究を極めた頃のお話。
50代でも頑張るべきだという主張には、その後の「今度生まれたら」とか「すぐ死ぬんだから」の著作からも、実践されているんだなあとよくわかります。( 2023年8月に聴いた 231014)



ただ、一緒に生きている 著者:坂本 美雨

この方よりもご両親のほうをよく存じ上げているので
やっぱりニューヨーク時代のお話を面白く聞いた。

芸術家夫妻の子供は岡本太郎が突拍子もないそだ育ち方をしたイメージがあるけれど、、、 (子供の頃犬のように首輪で繋がれていたと何かで読んだ記憶がある。それでも本人が留学中に大変お母さんに恋焦がれたという話を別で読んで驚いた。親からの仕打ちへの感じ方はそれぞれなんだなあ)
それはともかく坂本家のお嬢さんは、かなり真っ当な育ち方をした感じが好印象だった。 (2023年8月に聴いた 231014)



此の世の果ての殺人 著者: 荒木 あかね

あと二ヶ月ぐらいで地球が滅ぶという突拍子もない設定の小説。
そういうことになったら、スーパーで略奪が起こり、自殺者が増え、世の中が荒廃するという描写に、なるほどそうだろうなと思った。

そんな中で連続殺人事件が起こるのは、そしてそれを解決しようとする人たちがいるのは解せなかったけれど、最後まで面白く聞いた。
ひょっとしたらと期待したけれど、地球滅亡は回避されませんでした。 (2023年8月に聴いた 230914 )



我らが 少女 A 高村薫

オーディブルでミステリーが出ることが多くて、ついつい宮部みゆきとつなげて聞いてしまった。
私がこういう本を読んでいた頃、宮部みゆきと高村薫は並んでベストセラー作家だったからね。
中学高校の同級生たちと、親と、殺されたおばあちゃんのそれぞれの人生と、犯人が死んでからの謎の解明。なんだか中途半端なミステリーだったよ。
本当は楽しく読ませてくれる小説が好きなんだけどなあ。
(2023年7月に聴いた 230914 )



誰か―Somebody 著者:宮部 みゆき

あーこれ読んだことあるなと思いながら、途中で結論も思い出したけど
ところどころ憶えていないところもあって
なるほどそうだったのかと、けっきょく最後まで聞いた。(2023年6月に聴いた 230914 )



独裁者の料理人ヴィトルト・シャブウォフスキ (著), 芝田 文乃 (翻訳)

新聞の書評で見つけてすぐに図書館にリクエスト
1ヶ月半ほど待って届いて、 返却までの2週間、 集中して読んだ。( 読めた)

イラクのフセイン や ウガンダのアミン・カンボジアのポルポトや キューバのカストロ、そしてソ連の隣のアルバニアの エンベル・ホッジャ。
独裁者・虐殺者と言われた人たちの料理人へのインタビュー集 だ。

独裁者の思想に共鳴して喜んで仕事をしていた料理人も含まれるけれど、
やはり 印象に残るのは、いつ殺されるかわからない恐怖に怯えながら仕事をしていた料理人たち。
「独裁者が好むものを作っていれば殺されない」と信じて、
生きるために仕事をするとは何という過酷な人生。
しかも 殺されてしまうかもしれない 罠は、
自分が作る料理の味だけでなく 仲間の密告や体制の変化にも潜んでいる。
ここに登場する人たちは生きながらえて 今は平和に暮らしているようだけど、
他に何人の人たちが不本意な 死に方をしたのやら。
人の運命の過酷さと自分の幸せな毎日を比べずにはいられなかった。

この企画は秀逸だと思う。
思いついたポーランド 人作家の才気はすごいなあ。
同じ社会主義体制の 国の人だからと、 インタビューに応じてくれた料理人もいたそうで。
そんな思想も主義主張も持っていない、熟れ切った自由主義で 堕落した私 には大変 刺激のある本だった。 (2023年7月に読んだ 23802)



むらさきのスカートの女 今村 夏子 (著)

なんだか不思議な小説。私には合わなかった。(2023年5月に聴いた 230914 )



ザリガニの鳴くところ ディーリア オーエンズ (著)

翻訳ものはあまり読まない聞かないけれど、これはよかった。
南北戦争が終わったばかりの頃の、アメリカの南の田舎の州の、
かなり田舎の、なかでもとりわけ貧しい人たちの暮らし。
この本を読むでもしなければ知る術もなかっただろうと思う。 (2023年5月に聴いた 230914 )



カラスの親指 道尾 秀介 (著)

聞けば楽しい冒険小説だった気がする。 (2023年3月に聴いた 230914)



プリズンホテル 浅田 次郎 (著)

耳鳴りにも悪いし軽く聞き流すだけの本のはもうやめようと思いつつ、
軽いんだけど面白い。さすがはベストセラー作家だけある。

シリーズで何冊も出てるみたいだけど、 続編 までは聞かなくてもいいや。 (2023年3月に聴いた 230629 )



落花狼藉 朝井 まかて (著)

以前「恋歌 」を夢中で聞いたまかてさんだけど、
これはちょっとストーリーが平板な感じ。
(2023年2月に聴いた 230629 )



聴くだけでシリーズ 大橋 智夫、 株式会社Gakken

眠れない夜中に聞きっぱなしで眠りに落ちるのがいいかなと思って ダウンロードしてみた。
効果あるようなないような。水琴 の音がキンキン 気になる。

30年ぐらい前に はあったのだけど
波の音・小川のせせらぎ・鳥の鳴き声ばかりがずっと流れる CD。
肝炎で入院していた時 これを聞きながらだと眠りに落ちることができた。 ああいうのでいいんだけどな。



氷点 著者: 三浦 綾子

氷点 昭和30年代に大人気だったラジオドラマの原作。
なのでオーディブルもナレーターが入れ替わり立ち代わり、 擬音もすごくて、夢中で聞いたんだけど、どうもこの頃から耳鳴りが激しくなってきた。

イヤホンを骨伝導に変えたり、音を小さめにしたり、
Youtubeで見つけた耳鳴り解消マッサージをしたり、
色々試しているけど、あまり良くならない。

なので、ほんとうに聞く価値があるものだけこれから聞こうと思っているのだけど、
もしこの氷点の続編がオーディブルになったら、喜んで聴き始めるんだろうなあ。 (2023年2月に聴いた 230629 )



国宝 吉田 修一 (著), 尾上 菊之助 (ナレーション)

これは面白かった! 尾上菊之助のナレーションもさすが。
ヤクザの家に生まれながらも役者を目指す男の子と、上方歌舞伎の御曹司の成長物語。
色々出てくるエピソードが本当なのかフィクションなのか
自分の乏しい知識ではわかりかねてそれがじれったい。

最後主人公が演じる阿古屋は、私も玉三郎で見たことがあって大変感動したので、まるで聴きながら舞台を見ているかのような気分になった。

新聞のコラムで読んだけど、確かこの作者はこの作品を書くために黒子として舞台裏に通っていたとか。(何年もいたらしい)
その時も、へーすごいなあと思ったけど、その情熱と経験と知識と意欲が、こんな見事な作品になったとはさらに感動した。

そして 尾上菊之助之助のナレーション。これも老若男女を演じ分けて、ストーリーの盛り上がり声音で表現する。これこそ Audible にふさわしいナレーションだ。ほかの作品のナレーターの方々、がんばってほしい。(2023年1月に聴いた 230210 )



彼女の家計簿 著者: 原田 ひ香 ナレーター: 七海乃麻

仕事を続けたかった祖母とその祖母に捨てられた母とそんな母に冷淡に育てられた娘の物語。
誰の態度や思いも共感できて、同情できて、面白く聞いた。

家計の話じゃないのに、この著者が女性週刊誌の節約術のページに出ているのを見て笑ってしまった。
その記事の編集者はこの本のタイトルだけで著者を選んだんだろうなあ。(2023年1月に聴いた 230210 )



美食倶楽部 著者: 林 真理子 ナレーター: 水瀬 真知

美食倶楽部は読んでてお腹がすくほどの描写ではないけど、まあまあ。
短編の「幻の男」は実際の体験を復讐心から描いたそうで。 YouTube で本人が、会社ぐるみでその男の人を守ろうとするのと言っていた。
「東京の女性」 は憧れの松濤に住んでみた地方の女性と、実は不幸だった大家さんのお話。それぞれそれなりに面白かったです。(2023年1月に聴いた 230210 )



#真相をお話しします 著者: 結城 真一郎 ナレーター: 間島 淳司

謎解きものの短編集(2023年1月に聴いた 230210 )



逃げるな新人外科医 泣くな研修医2中山 祐次郎 (著), 間瀬 愛季 (ナレーション)

年末年始のちょっとしたすき間時間に聞くのにちょうどいいと思ってダウンロードしたんだけど。
聴き始めるとけっこう続きが気になって、落ち着かな かった。(2022年12月に聴いた 230210 )


忍ぶ川 三浦 哲郎 (著), 小川 道子 (ナレーション)
有名な古典であるが、今の世の中で聞くにはあまりにも古い恋愛模様。
主人公がしのというところがなんともこそばゆい。
「しのの乳房は手のひらに余った」というところは違うんだけどなーと思った。つまらぬ感想ですみません。(2022年12月に聴いた 230210 )



カーザ・ヴェルディ 藤田彩歌/著

一流の音楽家専門の老人ホームに死ぬまで暮らすことにした人たちと、
そこに少数受け入れてもらえる音楽学生の実話エッセイ。

イタリアの一流を極めた老人たちの暮らしぶりや、老いと向き合う意識は
一つ一つが印象的で感心させられた。

私も見習わなくっちゃと思って、ペットボトルの蓋を自力で開けるようがんばっている。 (2022年11月に読んだ 221221 )


夕顔の宿 滝沢美恵子/著
舞台裏 滝沢美恵子/著


芥川賞を取った 、[ネコババのいる町で]が面白かったので
図書館で借りて読んだ。

最初に出版された新刊のままで、文庫も出ていないので
期待していた著者紹介 のページもない。
いきなり小説が始まっていきなり終わる。 もちろん解説もない。

それでも能の唄い手のおうちに嫁いだ主人公や
独身で日本舞踊の名取をしている主人公の背景が
詳細に描かれていて、 知らない世界を読む面白さが十分にあった。

一体どうしてこの世界にこんなに詳しい作者なのか。
それは全くわからなかった。(2022年11月に読んだ 221221 )



ハヤブサ消防団 池井戸潤 (著)

人気作家の期待通りの軽いエンターテイメント。
オウム真理教を彷彿させる
宗教がらみのミステリー&サスペンスもあって楽しめる。

Kindle でゼロ円だったので記念ガイドブックもダウンロードしたけど
私の安い Kindle では画像が拡大できず全く読めなかった。(2022年11月に聴いた 221221 )


池井戸潤最新刊『ハヤブサ消防団』刊行記念ガイドブック(試し読み付き)




あなたの人生、片づけます 著者:垣谷 美雨


リセット 著者:垣谷 美雨

意識せずに選んだのだけど、同じ著者の本を2冊連続で聞いた。
まだまだ仕事がアナログで、社会の男尊女卑は色濃く
でも明るく前向きに頑張れば何とかなるみたいな時代の 女性たちのお話。(つまり私と同世代)

リセットは私が大好きな、人生をもう一度やり直すお話。
人生片付けますは、片付けコンサルタントのおばはんが
依頼者の心を片付けていくお話。
どちらも気分良く、読後感もスッキリ。(2022年10月に聴いた 221115)



秘話かわせみ 著者:平岩 弓枝

平岩弓枝さんが自分がデビューしたての頃それを語る講演。
解説では「師匠・長谷川伸と兄弟子たちとの濃密な日々。」
となっているけれど 60分の講演中語られるエピソードが一つで
その真相を師匠のお通夜の席で兄弟子から聞いて
兄弟子も本人も号泣してしまうと言うお話。

私ももらい泣き。
こんな人間関係羨ましい。(2022年10月に聴いた 221115 )



57歳で婚活したらすごかった石神 賢介 (著)

婚活のすごい話が延々と続くので
ライターだというこの人の別の記事やコラムを
読みたいなと思って検索したけれど
婚活の話しか出てこなかった…。
婚活ネタで年収一千万というわけではないんだろうけど…。

時系列のお話の後半はコロナ後の婚活事情で、
生活のために結婚したがる、生活に窮した女性が増えたというくだりに
暗澹たる気分になった。

もし私が独身でコロナ禍に巻き込まれたら…。
生活どころか生命の危機に瀕したと思う。
そんな女性が多くいるだなあと、身につまされたよ。 (221020)



彼岸花が咲く島 李 琴峰 (著)

近未来の終末世界に生きる若い女性達と幼馴染の男性のお話。

沖縄と思われる台湾に近い小さな島で、選ばれた女性たちが
過剰な人口を何とかやりくりしながら共同生活をしている。

柔らかい雰囲気で話が進み、だんだん謎が解けていく のが面白い。
アンチマッチョリズムで、フェミニズムなお話。
ここまで極端に女性上位しなくても、とは思うが、
ここまで極端に女性上位にしているわけには納得できるなぁ。

この島にこの人たちがたどり着く前の日本では、
「美しい国ニッポン」のスローガンのもと、
日本人以外の DNA を持つ人間を排斥したというくだりは印象的だった。
この作者が書いていた日経新聞のコラム で読んだけれど、
この作者は台湾国籍だけれど日本語ネイティブだったんじゃないかな。
そのコラムを読んだときも、国籍や出生地や母語や人種で、
こんなにアイデンティティで悩むものなのかと 驚いたものだった。(221020)



ネコババのいる町で 瀧澤 美恵子 (著)

Audible のラインナップがずいぶん増えてきた。
2022年9月は5・6時間で聞けるものを次々はしご。
その中でもこれはとっても面白かった!
1990年の芥川賞だ。

人物描写も設定も捻りがあって、 タイトルの中篇の後に入っている2作目3作目の短編も、一作目以上の面白さ。
これは相当人生経験を積んだ人じゃないと書けないのではと思ったら
作者は 五十歳直前でカルチャーセンターの小説教室に入って
3年後にこの作品で芥川賞を取ったんだそうで。

そして、この一作しか作品が出てこない。( Amazon では)
どういう人なんだろう。 知りたいな( 2022年9月に聴いた本 221006 )



砧をうつ女 李 恢成 (著)

1971年の芥川賞。著者の名前も「伽椰子のために」という映画の原作を書いた人と知っているんだけど読んだのは初めてかな。
小説はうーーん、 あまり印象に残っていないなぁ。( 2022年9月に聴いた本 221006 )



村の名前 辻原 登 (著)

1990年の芥川賞。いかにも中国をまたにかけた商社マンが書いた小説という感じ。
中国の田舎の町の描写やビジネスの様子が、リアリティがあって面白かった。
その後 商社マンを辞めて小説を次々に書いていらっしゃるそうだ。 ( 2022年9月に聴いた本 221006 )



糞尿譚 火野 葦平 (著)

この作家の名前を「あしへい」と読むと初めて知った。
1937年の芥川賞受賞作だそうで。
糞尿回収業のビジネス小説(でもうまくいかない)とも言えるし
糞尿を撒き散らして本人も糞尿まみれになるラストは衝撃だし
たまには昭和初期の小説も面白いなぁと思った。 ( 2022年9月に聴いた本 221006 )



22世紀の民主主義 成田悠輔 (著)

YouTube で次々出てくる成田さんのビデオ。
私は彼によれば集団自決した方がいいシニア世代だけど
面白くっていつも見ている。( 中年女性のファンが多いそうだ)

この本に出てくるアルゴリズムで決める民主主義というのも面白いけど
私のような古い世代にはどうしても SF 小説じみて聞こえて
そして巨大な悪がそれをコントロールして人類は滅ぶのではなどと思ってしまうよ。 ( 2022年9月に読んだ本 221006 )



三人屋 原田 ひ香 (著)

姉妹もののホームドラマ という感じかな。
3人姉妹が朝昼夜それぞれ喫茶店うどん屋スナックをやるという
面白い設定のお話。
でもまあ淡々としたあっさりとした展開で
続編は聞かなくていいかな。( 2022年9月に聴いた本 221006 )



泣くな研修医 中山 祐次郎 (著)

私の好きな医大生・研修医もの。
中でもこれはちょっとセンチメンタルだけど、楽しめた。
後から選んだ解説によれば現役外科医が書いているそうで。
そうであればすごいことだ 。評価が変わりました。( 2022年9月に聴いた本 221006 )



宝島 真藤 順丈

Audibleで18時間。1日だいたい2時間弱聞いて、10日ぐらい楽しめた。
沖縄旅行に行く前に、ちょっと怖かったり陰惨だったりする内容も含む本なんて大丈夫かなと思ったけれど、聞いてよかった!
実際に起こった事件も出てくるし、沖縄の戦中戦後の歴史と生活が良く分かった。

そして最後に謎が明かされる。
ハッピーエンドとは言えないけれど、 沖縄の未来に希望が持てる内容になっている。
今、現実はどうなっているのかな。旅行するだけではわからないこと、いっぱいあるんだろうな。 (22.08.30)


8月は10日ぐらい旅行して、その間ジムに行かなかったので、本は聞かず。
[第1弾] 氷菓は聞いたけど、漫画や映画の原作にもなるような青春小説で、私のようなオバさんが感想を述べるようなものでもなく。



猫を抱いて象と泳ぐ 小川 洋子 (著)

社会人になって以降はあまり小説を読まなかった私だけど
小川洋子さんの本は何冊かちゃんと読んでいる。
(社会人以降続けて読んだ小説家といえば、有吉佐和子・村上龍・村上春樹…くらいかな)

繊細な作風にいつも感動。
同世代の社会人なのに、なんでこんなに繊細さが違うのかしらと
コンプレックスに思ってしまうくらい。

この話は成長を止めてしまったチェス指しの男の子が主人公で
まるで、若い頃映画で見たブリキの太鼓の少年のよう。

もろくて危うくて美しい世界に生きて、死んでしまった男の子の話を
まるでおとぎの話のように、こころ洗われる思いで聞いた。(22.07.29)



熱源 川越 宗一 (著)

直木賞で検索して出てきた15時間の長編。
2020年の受賞作と新しい本だ。

ロシア革命前のサンクトペテルブルグのポーランド人やロシア人達と
ロシアと日本に占領され翻弄された樺太のアイヌとオロッコの人たち。

別々の物語がサハリンに流刑されたポーランド人で繋がり
第二次世界大戦の日本の敗戦で話が終わる。

何という壮大な物語かと思ったら、出てくるのは実在の人物だそうで。
小説を超える歴史があったのだなあと感慨深い。

つい100年前まで(もしかしたら今も)
思想で人生を奪われたり、戦争に命を投げ出さざるを得なかったり
疫病で簡単に死んでしまったり、家族が引き裂かれたり。
こんなに頻繁に起こっていたのだなあ。
自分は平和な時代に生まれてきて幸せだなぁと思う。 (22.07.20)



非色 有吉佐和子 (著)

有吉佐和子の本は 大好きで、ほとんど読んだと思っていた。
最近話題になっていると聞いたこの本のことは知らなかったのだけれど
読んでその理由が分かった。

この本が出版された昭和45年当時の世相には
あまりに危ない内容で馴染まなかったんじゃないかな。

主人公たちは「 戦争花嫁」だし、主人公の旦那さんは「ニグロ」だし。

ニューヨークに3年弱暮らした私には
この本に出てくる人種のことは多少知っている。
だから余計に有吉佐和子の洞察力と想像力と創造力のすごさに驚いた。

いったいどうやってこのテーマを決めたのか。
どうしたらここまで真実に迫る描写ができるのか。

そしてこの本で描写される人種間の偏見や、
起こるべくして起こる貧困や頽廃は、
今も変わらず起こっていることだと思う。
自分だってこういった立場になることも含めての当事者だと思う。

さすがだなあと思ったのは、主人公の娘の髪の毛の描写。
黒人との父と日本人の母を持つ長女の髪は
黒人特有のちぢれ毛。
それを気にしてなんとか伸ばそうとする様子が心に迫った。

思い出すのはオバマ元大統領夫人のミシェル・オバマの
「マイストーリー」

黒人の中でも飛び抜けて知能や才能に恵まれた人たちが
どうやって社会と折り合いをつけて生きてきたのか。

その道の険しさと乗り越えた彼女の凄さに
ただただ感服したのだった。(22.07.19)




羊と鋼の森 宮下 奈都 (著)

下の「罪の声」と違って、なんと静かできれいな小説か。
主人公の純粋で素直でおどおどした描写が上手で
きっと作者自身がこういう人なんだろう。

この作者の別の作品を読んで(聞いて)みたいけど
Audible であるのはこの一冊だけ。
Audible はまだまだ数が少ないです。(220623)



罪の声 塩田 武士

グリコ森永事件の事実を基に、音声テープに登場した子供達のその後を小説仕立てで追う面白い構成。
よく知っている事件のあれこれを、こういうことだったの?と思わせてくれる。
14時間の超大作だったけど、最後まで面白く聞けた。

映画にもなっているそうで、そうだろうなあ。
このストーリーを思いついた作者はすごい。 (220623)



リピート 乾 くるみ

私の大好きな「リピート」と、 超有名作「そして誰もいなくなった」 が合わさった話。
なるほど21世紀の新しいSF小説は、過去の名作をアレンジするという手法で面白くできるのね。
すっきりとしたハッピーエンドじゃないのも現代風かな。
瀕死の重傷を負ったテンドウさんは、実はうまく生き延びたんじゃないかなと期待。
などなど。 若い世代に新しい小説のエネルギーをもらった気分でいた。

それが、この著者のことは知らなかったので検索してびっくり。
男性でなんと年齢も還暦近いではないの。
最新作「夫の余命(アンソロジー短編)」には興味ありあり。Audible にならないかなぁ。(220609)


2022年5月のゴールデンウィークを挟んだこの一か月は
旅行の移動中に夫とイヤホンをシェアして
短編とか講演を聞くことが多かった。

短編・短編集
お腹召しませ 著者:浅田 次郎
侍はこわい 著者:司馬 遼太郎
おぼしめし/そいね 著者:三浦 哲郎<br> 時代小説の短編は、ちょいと聞くのにちょうどいい。
同じ日本人の話だけど知らない時代のことなので
気楽に聞けて発見もある。ミニ講義って感じ。

日本名婦伝 著者:吉川 英治
これはおじさん視点が強すぎて
真面目臭くて面白みが感じられなかったけどね。

幸福な生活 著者:百田 尚樹
サン・ジェルマン伯爵考 著者:阿刀田 高
現代の話は時代背景もよくわかるので、すっと頭に入る。
気軽に聞けて、中断も多い旅行の移動中にはちょうどいい。

でも百田さんの小説は、短編よりも長編の方が
読み応えがあると思う。。

バカの壁 著者:養老 孟司
養老先生の壁シリーズは同じような内容が繰り返し出て来るけど
階段教室の後ろの方でこっそりラジオの教養講座を聞いているような気分になれる。
旅行の移動中にピッタリです。

講演
歴史をさわがせた女たち 講演:永井 路子
いま女はさまざまに生きる 講演:宮尾 登美子
菊池寛と芥川賞 講演:江藤 淳
文学の戦後と現在-三島由紀夫から村上春樹、村上龍まで 講演:吉本 隆明

作家先生たちはさすが人気商売なだけあって講演も上手。
中でも江藤淳の日常の話と宮尾登美子の満州からの引上げの話は面白かった。

いまいちピンとこなかった本も多い。
次の芥川賞作家の二冊は今の時代の本なんだろうけど
例えば「教育 著者: 遠野 遥」…。 ある学校で「一日三回以上オーガズムに達すると成績が上がりやすいとされていて――。」 って、なにこれ。全く理解できない。

推し、燃ゆ 著者: 宇佐見 りん」 こちらは、私だって宝塚とかに夢中になるクラスメイトもいたので
まあそうなのかなとちょっと面白かった。 (220523)



最終便に間に合えば 林 真理子 (著)

デビューの頃から話題の林真理子女史
ananや文春のエッセイは読んでいるけれど。
そういえば林真理子女史20代30代の小説はこんなだったなぁと思い出した。

エッセーにもよく出ていたけれど、
林真理子女史のデビュー後のお住まいは原宿で、
私が勤めていた会社にも近かったので、時々すれ違った。

彼女がエッセイによく書いた
原宿キラキラぐらしみたいなのも、空間としては共有していたと思う。
主人公がキャリアウーマンと呼ばれるような
働く女性という設定は私も同じだったけど、
こんなチョロチョロつまみ食いするような
浮いた 恋の話には共感も出来ず
あまりに自分の現実と離れていてつまらなかったなあ。

今ならわかる。私が灰色に感じていた毎日を
売れる小説に仕立ててしまうのが才能の違いなのだ。

50代以降にお書きになった「最高のオバハン 」
同じ若い人たちの恋愛模様を描いているのに、
私も面白がらせていただいた。見事な才能、さすがです。(22.04.22)



恋歌 朝井 まかて (著)

思いを遂げられずに若くして死んだ水戸藩士と
生き残って歌人として明治を過ごした奥さんの物語

どこまでが実話でどこからが小説か
後半は息を呑むような展開で夢中になった。

江戸の末期から明治になる直前の、
今からほんの150年前の話なのに
何という血生臭さ。

ほんのちょっと生まれた時代と場所が変わるだけで
生活も人生も大きく違ってしまうことに今さらながら驚く。

この下の「コンビニ人間」とこの本は熱烈に夫に推薦して
夫も一晩で読み切っていた。
共有できて私も満足。(22.04.20)



コンビニ人間 村田 沙耶香 (著)

芥川賞を取った話題の本だとはうっすら覚えていたけれど
まさか自分がこんなに夢中になって聴くとは思わなかった。

主人公の性格、反応、そして周りの人たちのリアクション…。
すべてに納得できて、そしてどうすることもできない。

最後は主人公がコンビニに戻れそうなハッピーエンドで
心から安心できた。(22.04.20)



ぬしさまへ 畠中 恵 (著)

しゃばけシリーズの2作目。
たくさんこのシリーズはたくさん出ているので、どれが何作目でどの順番で読むかを知るのがけっこう大変。
私の好きな江戸もので、 妖怪たちも可愛いので
気楽に何か聞きたい時にちょうどいい。

一作目のしゃばけはこちら。 (220420)



家康、江戸を建てる 門井 慶喜 (著), 東 正実 (ナレーション)

特に川の流れを曲げて沼地だった江戸を人が住める土地にしたお話が面白かった。
沖縄旅行からの帰りの飛行機が、千葉から入って二十三区上空をぐるっと回る航路で、この話に出ていた 水路はこれかなーと目を凝らして見た。

井の頭の池から目白の高代まで水路を繋いで水を通す話は、活字の本なら図解が出ているのかなと借りてみたけれど、 こちらも文字ばかり。
字を読むにせよ読み上げを聞くにせよ、立体的な話を想像で理解するしかないので脳トレにもなると思う。

生涯をかけて江戸作りの一部に携わった人たちの想いや成し遂げえなかった無念も身に染みた。(22.04.20)



白石 一郎 (著)

織田信長の時代の、村上海賊の冒険物語。

主人公の笛太郎は対馬生まれで、
捕虜として村上水軍の一員になったあと
いろいろあった挙句に船大将として
父探しの旅に出るところで終わる。

笛太郎の出自や各地の海賊の船の様子や
ロマンスも絡んで楽しめる。

何より、続編があって主人公が死なないと分かっているので
安心して聴ける。(22.03.09)



星落ちて、なお 澤田 瞳子 (著), 小林 さやか (ナレーション)

Audible で[直木賞]と入れて
ずらずらと出てくる中から選ぶことにした。

私好みの表紙だったのがこれ。
江戸末期を生きた日本画家河鍋暁斎の娘(河鍋暁翠)が主人公の
絵師一家の物語。

家族関係や明治維新以降の洋画信仰の風調で画風が古くなったり
色々な困難に直面するけれど
女主人公は、私の印象では割と飄々と乗り越えていく。

もてはやされる画法も人の好みも
時代とともに変わっていくものだとの達観があればこそ。
父を超えることにこだわったお兄さんと違って
それなりの暮らしで長生きできた主人公 なんだろうな。(22.02.16)



お姫様は「幕末・明治」をどう生きたのか 河合 敦 (著), 菅沢 公平 (ナレーション)

史実がずらずらと出てくるので、
小説を聞くようなストーリー展開の面白さはないけれど、
一度は聞いたことがあるお姫様たちの幕末から明治にかけての
生き方と運命を 改めて知るのは面白かった。

一番印象に残っているのは、勝海舟が篤姫と
屋形船でやっちゃったとその後告白してるらしいこと。
もちろん、篤姫が大奥にいたころではなくて、 明治維新からだいぶ経ってかららしいけど。 三十路をだいぶ過ぎていたはずだけど、
篤姫さまも死ぬまでに一度くらい致すことができたのならよかった。

でも Audible で聞いているだけだと内容がさっと流れてしまう。
Kindle や紙の本だと写真があったり 年表があったりするみたいで。
これは聞くより読んだ方がいい本ですね。

もしくは図書館で同じ本を借りておいて、
その日聞いたところを 目で復習するとかね。(22.02.15)



細川ガラシャ夫人 三浦 綾子 (著), 村上 めぐみ (ナレーション),

朗読総時間15時間42分! 8日かけて聴きとげた。
途中でストーリーや登場人物がごちゃごちゃになって
分からなくなっちゃうかなと思ったけれど、杞憂だった。

色々なナレーターが入れ替わり立ち代わり読んでくれるので
とても面白く聞けて、終わっちゃうのが惜しいぐらい。

日本史に疎い私、ガラシャ夫人はキリシタン迫害の中で
キリスト教に命を捧げたのかと思っていたけれど
実はお家のため、お家が家康に忠誠を示すためだったのね。

それでも信仰の心は厚くて、どうしてこんなに信じることができるのか。
キリスト教に疎い私には実感できない。

逆にキリスト教が普及するにつれてそれを恐れるようになる
時の権力者たちの心理の方がよくわかる。

明智光秀・信長・秀吉・森蘭丸などなど。
私でもよく知っている名前が次々出てきて 、
なるほどこの頃はこうだったのねととてもよくわかった。

今さら遅いけど、日本史の常識として知っておくべきことを
思い出すことにも役立つと思います。 (22.02.04)



アマゾン・オーディブルが2022年1月27日から読み放題になる前の
10日ほど本の交換が出来なくなってしまった。

なので溜めていた新潮CDブックを聞いていたんだけど…。
いやはや昭和の小説のなんと色褪せて感じることよ。(22.01.26)


三熊野詣 三島由紀夫著 朗読小林勝也

文学の権威の先生と出戻りの住み込みお手伝いさんの
プラトニックな熊野行脚のお話。

先生は短躯で醜男、女性も地味でまるで色気なしに描かれる。
情景や容姿や着る物や心の襞の描写はさすが三島由紀夫だと思います。
崇高で気高い雰囲気だけれど何せ暗いです。

ところで、朗読の小林勝也さんはべストヒットUSAの小林克也さんではないです。 (22.01.26)



静かな木 藤沢周平著 朗読柳家小さん

小さんの「ひ」が「し」になる朗読が面白かったけど
内容はイマイチピンとこなかった。(22.01.26)



巻頭句の女 松本清張著 朗読市原悦子

トリックありきの話で実際はありえない気もするけど…。
設定や展開が色々込んでいて面白かったです。(22.01.26)



おもかげ 浅田 次郎 (著), 星 祐樹 (ナレーション)

新聞小説だったそうで、区切りが良くて
聞き読にはちょうどいい構成だった。

瀕死の状態で ICU にいる主人公を囲んで
関係する人たちが独白していく構成かと思ったら
いつのまにか主人公が意識だけ生き返って
自分の閉ざされた過去を辿っていく。

最後の最後に謎解きがあって、なるほどと納得するんだけど
この主人公は生き返ったのかな…?その後の人生は …?とあとを引く。

ホロホロと柔らかくおいしくってちょっと苦い
こういうのが売れる小説なんだろうなあ。

エンターテイメント小説というのを全く読んで来なかったので
この歳になって新鮮です。(22.01.26.)



サラバ! 上・中・下 西 加奈子 (著), 松坂 桃李 (ナレーション)

内容も著者も全く知らなかったけれど、直木賞受賞作ということでダウンロード。
上中下大長編を8日間通しで飽きずに聞き終えた。

主人公一家は海外駐在ファミリーで、赴任地や日本人学校の様子や
海外にいれば日本人として、日本にいれば帰国子女として感じる違和感など、
私の経験とかぶるし、私の体験の通り描写されていた。

著者の体験もあるんだろうなあ。そうじゃないとここまで書けないと思う。

面白かったのは美少年として育った主人公が
30を過ぎてから薄毛が始まり、心を閉ざしてしまうこと。
そんなことでなんで …?と思った 。

膨らみかけてるつぼみの10代、ピカピカのお肌の20代を過ぎれば、
異性の視線や態度がちょっとずつ変わってくることは誰でも気づくはずなのに。
そんなの当たり前でしょ。

でも主人公がそうならないと
タイトルの「 サラバ!」にたどり着かないんだけどね。(22.01.14)



吉原手引草 松井 今朝子 (著), 大森 ゆき (ナレーション), 三好 翼 (ナレーション),

売れっ子の花魁の失踪の原因を、吉原界隈のいろいろな人たちに聞いて歩いて解き明かしていくミステリー仕立ての時代小説。
吉原やそこに暮らす人たちの風俗が興味深く面白かった。

うーん…。 でもまあ、それだけ。

けっこう話の進みが遅いので、
ジムでよいしょよいしょとマシンを動かしながら
気分は江戸時代という異次元体験を長く楽しめたよ。(22.01.14)



最高のオバハン (中島ハルコの恋愛相談室) 林 真理子 (著), 大森 ゆき (ナレーション),

痛快エンタテインメント小説! まさにその通り。
今の時代によくありそうな恋や生き方の悩みが次々登場して
それを主人公がアドバイスの形でバッサリ切って落とす。
おもしろおかしく聴きながら、納得した。

著者は周りからたくさんの話を掘り出して蓄積して
それを小説仕立てにして放出しているんだろうなぁ。羨ましい。

どのエピソードも本当の話なんだろうなと思わせる。
私にはこんな経験はさっぱりないけど、ちょっぴりしてみたかったなぁ。



闇を泳ぐ 全盲スイマー、自分を超えて世界に挑む。木村 敬一 (著)

目が悪く生まれてからコロナが始まった春までの記録。
小さい頃盲学校でやんちゃをする様子がおかしくて可愛くって。
さあ今日は敬一くんどんないたずらするかしらと、
毎晩本を開くのを楽しみに読んだ。

本は2020年の3月、コロナが始まりアメリカでの練習場も閉鎖され、
やむを得ず日本に帰国する決心をしたところで終わる。

そうか、コロナで人生の大切な時期、こんな事態に直面した人もいたのかと
改めて思った。

そして気になったのは2021年に延期になったオリンピックでの結果。
確か金メダル取ったよね!?とネットで確かめたらやっぱりそうでした。

その時の体験や選手村の様子などはNoteで読むことができる。
おかしくってゲラゲラ笑いながらも、
よかったねーと涙が出てしまいました。(21.12.24)



少年の名はジルベール 竹宮 惠子 (著), 望月 菜々子 (ナレーション)

Audible で借りた一冊目。
私が少女時代に夢中になった漫画の中にはこの著者の作品はなかったけど
名前は知っているしその後の成功もよく存じ上げている。

内容はとっても面白く、才能ある少女が保守的な時代に上京して
同年代の友人達と助け合いながら開花していくお話。
グイグイ惹きつけられて、もっと深く知りたくて書評を読んだら…。

この著作ではあっさり書かれている萩尾望都との確執は
相手にしてみれば大変深い傷になったそうで。

この本の出版から後、下のような本が本人から出されている事を知った。

よくあることなんだろうなぁ。
そして私の心根や性格はどちらかといえば竹宮側寄り。
私の周りにも血を流す萩尾望都みたいな人がたくさんいたんだろう。
想像して、ぞっとした。そして、本当にごめんなさい。(21.12.21)


一度きりの大泉の話 萩尾望都 (著)




かけがえのない心 チョ・ヘジン (著)

海外養子縁組に出された女の子達の、自分のルーツ探しの物語。

驚くばかりの設定と、どんどん解かれる謎とわだかまり、
そして救いが見出せて終わる内容に、心の底から感心した。

こんな生まれ方があるんだなあ。そして、そんな子どもに関わる人たちのなんと優しいことよ。

タイトルから内容が全く想像つかない。
もうちょっと工夫したら売れるのではと思った けれど、
原題も「単純な本心」だそうなので仕方ないかな。
「単純な本心」は、女性人権映画祭の表題から取ったという意味があるそうです。(あとがきより。)

韓国の女流作家の作品を読んだのは、82年生まれ、キム・ジヨン (チョ・ナムジュ著)に続いて2作目だ。

こちらは、社会に抑圧される女性たちの心情が、
あまりに日本社会のそれに似ているのに、そしてもっとひどいのに驚いた。

両方とも心に後を引く作品だ。(21.12.13)



運命の恋をかなえるスタンダール 水野敬也 (著)

中高生の頃に漫画で夢中で読んだ
「ハンサムな年上の男性にオクテの女の子が恋して
それが叶うハッピーな物語」の小説版。

ハッピーエンドの展開は十分に予想が付くけれど、
気分が悪くなる内容ではないので
途中で止めず、最後まで聞いた。

あとで気づいたけど2021年3月に聞いた、
夢をかなえるゾウ」の著者だった。
その時と同じく、話の流れや文章のトーンが好印象で
聴いているほうも、なんだか気分よくなってくる。(21.12.07)



笹の舟で海をわたる 角田 光代 (著)

社会人になってから小説はあまり読まなくなり
ましてや私が社会人になってからデビューした作家はほとんど知らず。
初めて読んだこの著者だけど、描写の繊細さに驚いた。

疎開先で命を脅かすほどいじめた子、いじめられた子が
大人になって再会。
その時のことを全く覚えてない風の大人たちがたくさん登場する。

いくらいじめた側だったとはいえ 、覚えてないなんてあり得るのかな。
私は未だに思い出しては、頭をかきむしりたくなるような気になるのに。
(21.11.29)



世界のお金持ちが実践するお金の増やし方
高橋ダン (著), 向山勇 (著)

YouTube の履歴おすすめでよく出てきた高橋ダン氏。
テレビで見かけるようになったと思ったら
ついに本まで出して。

はっきり銘柄までおすすめてくれる内容が潔くて良い。
参考にして指値しちゃった。
もうかるといいなあー。(21.11.29)



人間椅子/押絵と旅する男 江戸川乱歩 朗読:佐野史郎

大正から昭和初期の、華やかな暮らしや場所が描かれる。
それだけで浮世離れした気分になれて楽しい。



山椒魚 屋根の上のサワン 鯉 乗合自動車 
井伏鱒二著 朗読 森繁久彌 草野大悟

どれも一篇20分前後の短編集。
魚や鳥が出てくる話は大正ー昭和初期に、乗合自動車は戦後に書かれた。
井伏鱒二自身が朗読する超短編も最後に入っている。

なるほど、戦前は思いを動物に託して表現したのね。
教科書に載っていたごつい風貌の写真のイメージが強いけれど
聴くと優しくて温かい感じになんだかほっとする。



平家物語 朗読 嵐圭史

最初は教科書に載っていたあの懐かしのフレーズ
(祇園精舎の鐘のこえ… けっこう覚えているものだ。)
やがて漢文調のもの語りになる。
集中して聞けば内容はわかるけど、聞き流している時は心地よいBGMのよう。



鼻/魔術 芥川竜之介 朗読川辺久造


地獄変/六の宮の姫君 芥川龍之介 朗読熊倉一雄

芥川龍之介の短編の名作集。どれも面白く聞ける。
地獄変はだいぶ残酷で読後感はあまりよくない。
六の宮の姫君は自活できずに飢え死にする哀れな女性の話。
こんながんばらない女性昔はいたんだろうか…。



父と暮せば 井上ひさし 出演 すまけい 斉藤とも子

広島の、あの朝とその後をテーマにした朗読劇
最初は父と年ごろの娘の微笑ましくもじれったいやり取りだけど
最後に真相や背景がわかって、重くて暗澹とした気分になる。



井上ひさし講演 第2集「作家の眼、創作の眼」




宮本武蔵 吉川英治 (朗読 徳川夢声)

全20巻 CD77枚セット! 
図書館から借りられる新潮CDは全部で166本なんだけど、
そのうち20本分を占める大作だ。

その最初の1巻を聴いたところ。

ムサシはまだタケゾウという少年で(実は同じ武蔵という字)
年増に言い寄られたり、故郷の村からは訳も分からず追われたり。
どんな展開になるのか、まだまだわからない。

1961年のラジオ放送の再録だそうです。
なので、私にも聞けるはず。



驟雨 吉行淳之介 (朗読 渡辺謙)

夫が買い揃えた吉行淳之介の全集が家にあったりして
私はこの作家を斜め目線で見る立場にあるんだけど。

20代以来改めてこの作家に触れてみて、やっぱり
女の子が胸をときめかせて読む「白馬の王子さま」のお話の
男の子版みたいな感じかなと、モヤモヤと思った。

男の子だって「白馬の王子様」との夢のような恋愛なんて
けっ、ありえねーよって思うでしょう?
つまり、そんな感じ。



しぶちん 山崎豊子 (朗読 橋爪功)

ものすごくケチな、船場の丁稚さんの話。
知恵を回してお金を貯めて貯めて、
ついに独立して結婚してもケチでケチで。
お金があるのにしみったれた暮らし。
周りの悪口も気にせず、付くあだ名は笑っちゃうものばかり。
その描写の凄まじさ。

山﨑豊子すごい人です。
こんなに才能あって、でも大正なんて時代に生まれたから
作家になるしかなかったんだろうなぁ。

今だったら 職業の選択肢が多すぎて、逆に彼女の名作は産まれなかったかも。(21.10.09)



凍てのあと 山本周五郎 (朗読 有川博)

心に傷のある浪人と縫箔職人の人情噺。
縫箔なんて今の人は聞いても分かんないだろうな。
私は着物を着るし、日本刺繍の糸もちょっとかじっているのでわかったけど。

収入もないのに二人は日がな一日釣りをして飲ん帰る。
住んでいるのは隣の声が筒抜けの長屋。
縫箔職人はお母さんと二人住まい。

そこにお嫁さんが来ることになるのかな?
そんな暮らしで、どうやって昔の人は子供作ったんだろう…。(21.10.09)



純喫茶トルンカ 八木沢里志 (著)

下町の喫茶店を巡る人たちの織りなす人生模様。
悪い人は出てこない。
そして一人一人が悲しみや苦しみを持っている。

しんみりするシーンが多いけど
思わず笑っちゃうエピソードも。

笑う話が好きだなー。(21.10.09)



愛と死 武者小路 実篤 朗読 寺田農

知性と教養溢れる素敵な男女の恋物語で始まる。
物語のほとんどは、東京とパリで別れて暮らすふたりの
ラブレターのやりとり。

タイトルからして、どちらかが死んじゃうんだろうと分かるので
ラブレターの甘さに辟易しながらも、ハラハラ。
そして半年分かれていた二人の再会まであと十数日となった時、
スペイン風邪が彼女を襲う…。

残された彼は彼女の死から学んだことを語るんだけど
やっぱり、人は生きてこそ。残されたほうの虚しさが胸を打つ。

だけどさ、何気なくやってみたら宙返りができちゃった
なんていう人いるんだろうか。
子供ならともかく女学生で…。

その女学生は大人になってパリからラブレターが届いたら
嬉しくって封筒を口にくわえて、でんぐり返しを3回したって。

お茶目な描写するんだなー、武者小路実篤って。(21.10.01)



神隠し藤沢 周平 辻萬長/朗読

刑事コロンボみたいな岡っ引きが、
依頼人のトリックを見破って殺人事件を解決。
でも殺人の背後には娼婦だった奥さんを庇う気持ちがあった…。

山田洋次監督が選んだにしてはハッピーエンドではないお話。
奥さんが現場に戻る理由も、いま一つ納得がいかない。

だからか解説で監督は、朗読の辻萬長さんをひたすら褒めている。
確かにハードボイルドなかっこいい声です。(21.10.01)



雁の寺 水上勉 / 池畑慎之介朗読

朗読が早口で聞き取りにくいなーと思ったら
ピーターだったのね。

なぜこれを朗読するのか、
主人公とピーターはだいぶ遠い気がするけど。

解説では著者と主人公が重なる部分があると言っている。
もしそうなら、暗くて不気味な、そして哀れな すごい少年期です。(21.09.28)



言葉が怖い 向田 邦子 講演

五十歳の向田邦子さんの講演。
ゆっくりと柔らかく丁寧な口調で語る。
バリバリのキャリアウーマンをイメージしていたけれど、
まったくそんな感じは無し。

飛行機事故で亡くなったのはこの講演と同じ年だそうです。
なので逆にこのゆったりした口調に、色々なことを思ってしまう。(21.09.28)



白昼の死角 高木 彬光

聴き終えるまで10時間超!
歩きながら、マシンをしながら、家でぼーっとしている時も、
夢中で聞いた。面白かった。

戦後すぐの実在の事件の残党の、
その後の、それを上回る事件の告白という形を取っている。

どこまでが実際の話で、どこまでが著者の創作なのか…。
そんなことを考えながら聞くのも楽しい。

知能犯の知恵もすごいけれど、詐欺をして多くの人を騙すために、
そしてその後の恨みつらみをかわすために、
自分の心をどうやってコントロールするか…。
息を呑むような展開の連続だけど、残酷な話だ。

最後の方に、若い主人公が犯罪するのは、
太平洋戦争で自分と同年代の人たちを戦争に追いやって殺した
明治生まれの世代への復讐なのだみたいなくだりが出てくる。
昭和中期にはそんな世代間対立があったのかな。
恐ろしくもおぞましい。(21.09.15)



ひらめきの法則 星新一/講演

1974年の講演会だそうで。
いつものショートショートと似た雰囲気の
静かな口調で創作の極意を語ってくれる。

実は私も星新一さんの真似をして
ショートショートを書いて、文芸誌のコンテストに送ったことがある。
7点と、8.5点の点数がついて、
作品を集めた文庫本にも掲載された。
でも、それっきりです。(21.09.08)




真夏の死 三島由紀夫 (朗読 蟹江敬三)

三島由紀夫の短編。
水難事故で幼い子供二人を含む家族3人を亡くした夫婦の、
その日から数年後まで。

最後の一行に至るまでの作品の構成にも工夫が凝らされているそうで、
何度か聞き返してみた。

こういう事態に遭遇した夫婦にしては
お互い大変思いやりを持っていると思いつつ、
張り詰めた雰囲気に読みながらも緊張する話だ。
(21.09.08)


運転者 未来を変える過去からの使者 喜多川泰

予定調和のハッピーエンドだけど、それなりにひねりもあって面白かった。
出てくる人が最後にみんなつながる。
オムニバス形式の映画で、こういう作りのよくあったな。

Amazon プライムの自己啓発系ビジネス本は
似たり寄ったりで聞き飽きたけど、
小説はすんなり耳に入ってくるし、
それぞれ違う面白さがあるので 聴き読にはちょうどいい。
(21.09.08)


菊と刀 ルース・ベネディクト

日本人論の古典的名作で、今でも新鮮で面白い。
この著者のルース・ベネディクトの才能なんだと思う。

でもなんでこの本は、著者のフルネームを表示しないのかな。
( 著者名や訳者あとがきの記述は名字のベネディクトだけ)

日本の出版社は、女性だとわかる名前を表示したら、
本が売れないと思ってるのかな? 変なの。

著者は実際、女性だからとコロンビア大学の教授ポジsジョンが
なかなか取れなかったそうだけど、それって戦中-戦後の話でしょう?
(21.09.03)



鬼人幻燈抄 葛野編 水泡の日々 中西モトオ

江戸時代の話はそれだけで面白く読むんだけど…。
調子良く聴いてたら、突然可愛い妹が殺人鬼に変身し、
主人公の恋人はあっさり死んでしまい …。

なんでこんな結末にしたのかな。
書き続けるのに飽きちゃったのかしら。
それとも、続編を売るためかな。(21.09.03)



赤い夕日―山田洋次が選ぶ「藤沢周平傑作選」(朗読 奈良岡朋子)

山田洋次監督が選んだだけある、人情、愛情物語。
藤沢周平が書いただけあって、江戸時代の描写も面白い。
安心して、リラックスして聞ける。



或る「小倉日記」伝 松本 清張 (朗読 湯浅実)

松本清張が小説家になる契機となった
芥川賞を取った小説。推理小説ではない。

傷害のある主人公という設定や森鴎外のエピソードが面白く
主人公が亡くなった後に真実がわかる最後も胸に迫る。



ふしぎ駄菓子屋銭天堂 廣嶋玲子

アマゾンであまりにレビュー数が多く、毎回お勧めに出るので聴き読。
確かに子供が読んでも面白い、不思議なおとぎ話だった。

なんと15巻まで出ているそうで。
この設定なら長く続けられるし、人気も出るだろうなあ。


老人と海 ヘミングウェイ (著), 小川 高義 (翻訳)

魚を釣りに行って、生涯最大の大物を2晩かけて仕留めて、
意気揚々と帰る途中でサメに襲われて、戦うんだけど
せっかく釣った魚をどんどん食べられちゃって、
やっと帰り着いたら骨だけ残っていたという話なんだけど
2時間中断せずに聴いてたっぷり楽しめた。

現代風の新訳だそうで、70年前の小説もまったく違和感ない。
巻末の年表や訳者のあとがきも詳しくて長くて面白いです。



他人を攻撃せずにはいられない人 片田 珠美

他人を攻撃せずにはいられない人 (つまり私)が、
他人を攻撃しなくなれる本かと思ったら違った。

他人を攻撃する人に痛めつけられている人向けの、
なぜあなたがターゲットになるのか、を分析した本だった。

他人を攻撃する人が攻撃しないようにはならないとばっさり。
今まで、ごめんなさい。わたし、どうしようもないみたい…。



最後の医者は桜を見上げて君を想う 二宮敦人

難病で死んでいく3人の人たちの物語。
とある会社員の死、とある大学生の死、とある医者の死と目次にあるので
読み始めるとああこの人は死んじゃうんだなあとわかるんだけど
内容は深刻で自分だったら…とつくづく考えさせられる。

良く生きなくっちゃね、と思わせてくれる本だ。


放浪記 林 芙美子 (朗読)藤田弓子




おもいでエマノン 梶尾真治

SF 小説なんて久しぶりだけど
設定もストーリーも面白くて楽しめた。



しゃばけ 畠中恵

江戸時代のお金持ちながら体の弱いおぼっちゃまと、
守り育ててきた妖怪たちの痛快冒険もの SF サスペンスストーリー。
シリーズになっている一作目。

妖怪たちが水戸黄門の助さん角さんみたいで、
そのいい男っぷりが楽しい。

展開が遅いというレビューもあるけど、
それぐらいが聞き読みにはちょうどいいみたい。



心に折り合いをつけて うまいことやる習慣 中村 恒子 , 奥田 弘美

戦時中に医学の勉強を始めて、九十歳近くまで現役でお医者さんをしている
恒子先生のインタビューを 後輩のお医者さんがまとめている。

恒子先生の欲の無い仕事ぶりや暮らしぶりが面白くて
肩の力が抜ける気分になれる。

私の場合もう十分に抜けてるけどね。



バビロンの大富豪 「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか ジョージ・S・クレイソン

100年ほど前に出版された、紀元前に滅亡した国バビロンのお金の教えをまとめた本。
これがロングセラーというのだから驚きだ。

登場人物は古代バビロン人。
放蕩して奴隷になったり、奴隷から努力して自由人になったり、
色々なストーリーがなかなか面白い。



ひとり老後、賢く楽しむ 岸本葉子

私と同年代の岸本葉子さんの老後を考えるエッセイ。
私も親の介護を経験したばかりなので、よく知っている内容だった。
今度は自分のこととして考えなくては…。

いつも気になるのはこの人の体言止めが多い文章。
音声で読み上げるとさらにぶつッと止まる感が強く、
そのびに違和感を感じる。



おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密

面白い設定でお金と仕事との大切さを教えてくれる本。
挿絵を見ないで聞いていたので、生徒達が中学生とは思っていなかった。
お金持ちのおうちの女の子の葛藤とか、だんだんほぐれていく様子とか
なかなか面白い構成とストーリーだった。



硝子戸の中 夏目漱石 朗読 日下武史

伊集院静の夏目漱石が主人公の新聞小説[ミチクサ先生]が終わったところなので、
いろいろ思い当たるところもあって楽しく読んだ。

教科書によく出てくるあの写真のイメージから
夏目漱石は気難しい人で気難しい小説を書くと思っていたけれど
そんなことはなかったのね。

何で今頃知るのかな。まるで授業聞いてなかったんだな。



山月記 中島 敦 朗読 江守徹

中国の古典のアレンジといった内容。
ストーリーは人が虎になったり、
弓の名人になるために瞬きせずに3年過ごしたり、
荒唐無稽で笑っちゃうぐらいだったんだけど。

昭和17年という戦時中に書かれて
その頃の人々の心に染み渡ったと言われればしんみりする。

しかもこの作者は作品が出たその年に
喘息のために33歳で亡くなったということ。
長生きしていれば、時代が違っていれば…。
もったいないですね。



断腸亭日乗 永井 荷風




罪と罰 ドストエフスキー 朗読 江守徹

受験に出るような古典も、聞くなら簡単。
でも話の内容は 、思ったほど深くも重くもなく。

世界文学の中の10人のうち8人が傑作とあげる 本だそうだけれど。
主人公を支える未成年の娼婦のソーニャが理想の女性像だそうだけど
なんのこっちゃって感じ。



源氏物語の魅力 瀬戸内寂聴/講演

語る人が変われば内容も随分変わる 。
一番印象に残っているのは天皇の寵愛を受けた桐壺が受けたイジメ。
おつとめに向かう廊下に糞尿を撒き散らされて、
十二単衣の裾が汚れちゃうっていう話…


私生児 高見順 朗読 高見恭子

CD BOOK も古本も何も出てこない。
時代に流されて消えてしまった小説のようだ。

娘の高見恭子が朗読しているので、
最初私はこの私生児は女の子だと思っていた。

小説は、自我が突っ張りすぎの主人公を軸に
息子を溺愛する母と、そんな姑と折り合わず
とっとと出て行く現代っ娘の嫁の確執を描く。

今の社会ではどうということもないストーリーと思う。



蟹工船 小林 多喜二 (朗読 若山弦蔵 )

プロレタリア文学の象徴のように言われて、
難解で残酷悲惨と思っていたけれど…。

他の本で読む戦争体験などと
登場人物の肉体的精神的な悲惨さは変わらない気がした。

でもこの本が昭和4年に書かれたというところが大きく違う。
そして作者は特高に捕まって拷問を受けて死んでしまうのだ。

なんという時代…。



肉体の門/鳩の街草話
田村 泰次郎 (著) 朗読 壤晴彦

戦争を体験したマッチョ作家のマッチョ文学という感じ。
女はあくまで脳足らずでいい加減に描かれ、
それを馬鹿にしたり踏みつけたりする男は、
だって戦争をくぐり抜けて生き残ったのだから当然だみたいな。

まあそうかもしれないけど、こんな時代に生まれなくてよかったです。



田辺聖子講演「源氏物語」 連続講演全36回

田辺聖子のエッセイは、関西弁に慣れていない私には読みづらくて、ほとんど読み通したことがなかった。
でも話し言葉で聞くと、なんと上品で柔らかくて面白いことか!

教科書で読んで以来の源氏物語も、 この話術で語られると生き生きと新鮮で面白い。新潮 CD の人気シリーズらしくて、源氏物語は何種類も出ているけれど、全部聞く楽しみができた。



司馬遼太郎が語るシリーズ 「講演録音」1~8 

2巻目「歴史小説家の視点」は、慶応大学で学生向けに語った講演のようだ。
音声もはっきりしていて聞きやすい内容。

講演が始まってからも、どういう内容にするか全然考えてないんですみたいな言い訳ばっかりで、観客に失礼じゃないのかな。
ビジネスプランのプレゼンならありえないけど、歴史小説家の大先生なら仕方ないのかな。

けれど、話があちこち行ってもとっても面白い内容だ。
幕末の藩士たちの自身を含めての命軽視がわかるエピソードとか、忘れられずにずっと覚えていそう。

3巻目「草原からのメッセージ」はモンゴルの民族と 歴史と文明について。
最近の大相撲を独占するモンゴル力士をイメージしながら聴くと納得できる。  


60歳からを楽しむ生き方 フランス人は「老い」を愛する
賀来弓月 (著)

元外交官でフランスの修道院で介護ボランティアをしていた方が
題名通りのことを繰り返し語る。

海外旅行してまで介護のボランティアなんてすごいなと思うけど
話の途中までこの人が男なのか女なのか、
いったい何で日本でボランティアをしないのかわからず、
すっきりしないまま聞いてた。

途中で自分に白い髭があると出てきたので男性なんだとわかり、
日本では介護ボランティアという機会がないとの記述でなるほどと思った。

夏の間高い代金払って旅行するより、介護施設や人手不足の農園などでボランティアするのはいいかもしれない。
自分が元気なうちにしないとね。


ひかりごけ 武田泰淳

遭難した北の海の漁師たちの、極限まで飢えて、人肉食をするかしないか
で葛藤する話と、1人生き延びた船長の裁判の模様。
複数の人たちが情感たっぷりに朗読して、まるで演劇を見ているみたい。

人肉食をした人が光るのか光らないのか最後までわからない不思議な結末だけれど、
実話に基づいたという内容にはなかなか迫力がある。
作者自身がモデルと思われる大酒のみで浮気症の夫と、若い奥さんの物語。
あまりの貧乏暮らしの描写に呆れるけれど、奥さんが途中で仕事を見つけて生き生きと働きだす場面に救われる。
ついには若い男とアバンチュールまで楽しんじゃう。

夫はそれに気づいているのかいないのか、最後は奥さんの
「私たち、生きてさえいればいいじゃない」の名セリフ。
なんだかあっけらかんとして素敵な小説です。

同じCDブックシリーズで聞いた井上ひさしの太宰治をテーマにした講演で、
太宰治は自分が歴史に残る名文家であると自負していたと言っていた。
その通り、本当にわかりやすくて情景がよく目に浮かんでくる文章だと思う。


しだれ桜 瀬戸内寂聴
語り 平野啓子

元NHK キャスターで語り部の平野啓子のこの朗読は
賞を取ったりしているそうです。

情感たっぷりの甘い声で、舞台で行なっている朗読は YouTube にもなっている。
https://www.youtube.com/watch?v=09XQn8AWa04&t=6s

小説、言葉は悪いけどいわゆる不倫の恋愛の始まりから終わりまでで
嫉妬するでも人を嫌うでも恨むでもない主人公の
おっとりした風情に安心できる。

最後亡くなった愛人の奥さんとのやり取りは
この小説のクライマックス。
それも淡々と語られて、一人ぼっちになった主人公はこの後も
淡々と生きていくのだろうなと、ほっとした。




医大に入学した女子大生とそのクラスメイトたちの
学園生活や恋愛、家族の病気、進学問題などなど 盛り沢山。
理系とは縁がなかった私には 、とっても楽しめる内容だった。

主人公やクラスメートたちがなぜ医大に入ったのか
なぜ医者を目指すのか、目指せないのか。
それぞれの考え方やそれを生んだ環境も納得の描かれかたで
まるで実話を読むみたいに 共感できた。

医大女子学生が書いたのかと思ったら、脚本家出身の著者のデビュー作だそうで。
同じ主人公で続編も続々編も出ている。( 有料だけど)

長時間飛行機に乗るときとかに夢中で読むのにぴったりと思う。
早くその日が来ないものかしら。



司馬遼太郎が語る 第1集 「建築に観る日本文化」

1992年のみなとみらいでの講演
この講演を依頼したのは誰だったのかとか、誰に向けての講演なのか
分かればもっと面白く聞けたのになとちょっと残念。

その情報があれば、冒頭 に出てくるこの講演を依頼した建築関係の人との
オランダでのエピソードももっと深い印象が持ってるのに。

それが分からなくても、夏目漱石と建築のエピソードや
織田信長のお気に入りの建築士たちがその後松坂屋と竹中工務店になって、
今も松坂屋の仕事は竹中工務店が全て受けるなんて聞くのはとても面白かった。

黒い裾 幸田文 (朗読 藤村志保)

面白かった!

最後の黒い裾を切るところは、
何度も聞き返して やっと理解したけど。

私は着物は着るけど喪服は持っていない。
着物を着る手順は面白く聞いたけど
黒紋付の喪服の裾に綿が入っているとは知らなかった。
でも美しい描写でした。

お葬式の積み重ねで深まる経験や人間関係。
今でもかすかに理解できるけれど
この小説が書かれた昭和30年頃はもっと濃厚だったんだろうな。

さすが文豪の次女。 すごい描写の才能です。



檸檬 梶井基次郎 (朗読 寺田農)

上の幸田文さんと同じ年代生まれの著者だけど
私にはこの内容はちっとも入ってこなかった。

薄命の病身の若い青年の
生きることと性欲への思いと言うことはわかるけど
それが「瑞々しい描写」みたいに言われている
有名な小説ということも知っているけれど…。

2回ぐらい聞いてみたけど
右耳から左耳にスーッと流れてしまって
脳みそに残らない。

すれっからしのおばちゃんには
あまりにも爽やかすぎる内容だったのか。

著者はこの小説を出版した翌年にお亡くなりになったそうで。
もっと長生きしたら幸田文さんみたいなのも書いたのでしょうか。


諦める力-勝てないのは努力が足りないからじゃない
為末 大

有名なアスリートで本もすごく売れているとは知っていたけれど
読んだのは初めて。

視点が素直で明るく、含蓄のある内容で
聞いていて面白く楽しかった。

色々なことを諦めて生きてきた我が身としては
なるほどあの時こうすればよかったのね、とは思わなかったけれど。

オリンピックや国際競技会を仕切るのは
オリンピックのメダリストではなく、ヨーロッパの貴族が多いこと。
その人たちが上手く交渉とビジネスを進めて
日本人は言いなりなこと。

ロンドンオリンピックで著者が悟ったそうですけど
2020年の東京オリンピックの運営でも未だそれが続いている

本の最後に出てくる著者紹介を見て
今は人材育成のビジネスをされていらっしゃると知った。

才能ある方でいらっしゃいます。



白い人 遠藤周作
朗読 平幹二朗

芥川賞を取った遠藤周作の初期の作品。
でも私には「何これ」って感じ。
とっても気分が悪い話だ。

書くのも嫌だけど、誹謗・中傷・嫉妬・憎悪・暴力…。 のオンパレード。
聞くに堪えなくて途中イヤホンを耳から外したりしていた。

新潮CD はどうしてこの作品を選んだのかな。 
もっと聞いていて気分が良くなるいい話が沢山あるのだろうに。
おどろおどろしい平幹二朗の朗読が、気色悪さを盛り上げます。



薄明るい場所/星のない街路
北杜夫(朗読 辻萬長)

どちらも陰鬱とした暗い話だけれど、
1話目は精神病院の話で、自分の知らない世界なので興味 深く聞いた。

2話目は敗戦後のベルリンで出会った娼婦まがいの女の子との
「交情を詩情豊かに描いた」短編小説とケースには書いてあるけれど、
あまりにも男側のご都合主義的な思い込みや展開に鼻白む。

四年後に「楡家の人びと」を生み出す抜け口となった作品なんだそうです。



新しき俘虜と古き俘虜 『俘虜記』より
大岡昇平(朗読 久米明)

400ページ以上もある本のほんの一章分だけがCDブック化。
しかも捕虜になって以降の命は保証された毎日の描写なので
こちらも ある程度安心して聴くことができる。

捕虜ばかりの集団生活から生まれる
色々な馬鹿らしいことや変なこと
淡々と描かれているだけに
その虚しさがよくわかる。

著者は戦争を生き延びて、その後日本にも戻れて、
立派にお仕事することができて、本当に良かったです。



老妓抄 岡本かの子(朗読 奈良岡朋子)

聞き始めてすぐ、この本読んだことある!と思った。
若い頃に買ったのか、旅行用に古本で買ったのか。

10年前 友達にこんなメールしてました。

>今、引っ越しの身辺整理で出てきた岡本かの子の「老妓抄」読んでるの。
>昔の人たちの立ち居振る舞いや心持ちの描写が面白いよー。
>岡本かの子って、ただの派手なおばさんかと思ってたけど、すごい人だったのね。

10年後の私には、続けて入っていた「家霊」の方が面白かった。
こちらの老人の方が、「老妓抄」の若い男よりまだマシな男に思えた。



パニック 開高健 (朗読 橋爪功)

まるでコロナ時代の今 の日本の
低水準組織と政策運営を
ウィルスをネズミに置き換えて言ってるような本。

主人公の腐った上司たちの
その腐りぶりの描写がまるで臭うよう。

最後はネズミが自滅して終わりだけど
ネズミより始末が悪い色々なものが生き残ってる。

完璧なハッピーエンドじゃないところが
リアルです。



思うままに夢がかなう 超瞑想法
苫米地英人 2021年4月7日



Dr.苫米地式資産運用法なら誰も絶対にrichになれる
苫米地英人 2021年4月7日



40歳から「差がつく」生き方
苫米地英人 2021年4月7日



堀江貴文VS.鮨職人 鮨屋に修業は必要か?
堀江貴文 2021年3月29日

ホリエモンが8人の寿司職人と対談。
それぞれがどうやって一流になったのか
その努力の方法やエピソードがとっても面白い。

美味しいお寿司が美味しい理由もよくわかる。
ホリエモンの一人3万円以下の寿司屋は寿司じゃねえみたいな言い方にはむっとするけど。



さらばモスクワ愚連隊

若い頃は五木寛之の対談集とかエッセイを面白く読んでいたけど、
こんなキザな小説を書く人だとはあまり分かってなかった。

ロシアの愚連隊との軽妙なやりとりやジャズ音楽の描写など、とっても面白いけどね。

若山弦蔵の朗読が小説に輪をかけてキザで、
小説を盛り上げてます。


ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門
木村尚義 2021年4月6日

最後まで結局ラテラルの意味も何でずるいのかもわかんなかった。
内容は「へーなるほど」と思わせるビジネス成功物語の集積で、
新聞やドキュメンタリー番組で見たようなことばかり。

何度聞いても 役に立つ話ばかりなはずなんだけど
結末を知っているのでつい聴きながら思考がそれてしまい
何の話だったっけと何度戻したことか。

でも結局、聞いてたんだか聞いてなかったんだかわかんないや。


極主夫道 1巻: バンチコミックス
おおのこうすけ2021年4月2日

元ヤーさんが専業主婦夫という設定がとっても面白い!
ストーリーは尻切れトンボのことも多いけど
軽く読み飛ばしてるのがいい。
絵もまあまあ。

知らなかったけど、ドラマ化もされてたのね。
面白いって思えたってことは、世間水準にやっと追いつけたってことかな。
よかった。


立川談志 司馬遼太郎作「新選組血風録」を読む
最初の話は、「何これ 。新撰組ってただの人殺し集団じゃない」と、いささか気分が 悪くなった。
つまり、侍ってのは公に認められた人殺し業っていうことなのね。
改めて納得したけれど、なんとまあ変な時代。

二話目、三話目はそんなに血生臭くなくて、この時代の生活や背景もわかって面白かった。

立川談志の語り口がやっぱりうまい。「しじかたとしぞう」と読むところもいい。私もそうなっちゃうから。



1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
デイヴィッド・S・キダー 2021年3月23日

Kindle で立ち上げたら読み終わるまで13時間と出てきた。
1日分1話、365日分のコラムだ。
これは眠れない時に小さな音で聞く本としてちょうどいいな。



井上ひさし講演

1999年の講会。
名優が朗読する CD ブックに慣れてきた耳には、
雑音の多い講演会の録音はちょっと聞きにくい。

太宰治の人となりの身近に感じられる面白いところを、教えてくれる内容。
この時代の作家の中では太宰の文章は圧倒的に読みやすくわかりやすいこと。
太宰治自身が酔うと自分は歴史に残る作家の二人のうちの一人になると言っていたこと。
生まれた家の事、心中事件の真相などなど。

太宰治 は若い頃に読んだきりでちょっと遠くなっていたけれど
へーと思うことがたくさんあった。


超雑談力 人づきあいがラクになる 誰とでも信頼関係が築ける
五百田達成 2021年3月29日

おしゃべりな私には向かない本だけど、
人付き合いが苦手な人の苦労がよくわかった。

でもここまで「こういう時はこう言いましょう」みたいに言われないと
できないものかしらね。

ぎこちない雰囲気や会話が途切れた時の沈黙を破る方法が色々出てきたけれど、
ジムのロッカーによくいる自分のことを話し始めたら止まらないおばさんと楽しい会話ができる方法も教えて欲しいものだ。


おはん

子供まで成した奥さんと、愛人の間を揺れ動く軟弱男の話。
藤岡琢也が声音を変え情感たっぷりに読んでくれるので
思わず引き込まれる。

だけど、子供が死んでしまう結末は 、あまりにも三文小説ぽくて何ともやりきれない。
しかも奥さんはこんな軟弱男に大変都合のいい置手紙を残して去っていく。

まるで男の人が自己満足のために書いた話みたい。



食味風々録 阿川弘之著

お父さんのエッセイを娘の佐和子さんが情感たっぷりに読む。
時々プッと吹いてしまう、食いしん坊エッセイだ。

どうやら CD ブックは本からの抜粋のようで、
書いた全てが収録されているわけではない。

書かれた直後に読んでいたら、紹介されていたお店に端から言っただろうなー。



年収が10倍になる速読トレーニング
苫米地英人 2021年3月23日

苫米地先生の本 、2冊目のダウンロード。
速読よりも苫米地先生に興味があって聞いてみた。

苫米地先生がびっくりするほどすごい人だということが、この本でよく分かった。
いわゆる速読のノウハウ というか、からくりも。

私には速読よりも聞き読みの方が向いているな。
他にいろいろしながら本が聞けるので。

最近はテレビのニュースやワイドショーを音を出さずに眺め、
Siri に読み上げてもらう Kindle 本を聞くということをよくやっている。

お皿洗ったり夕食作ったりしてる時にちょうどいい。



自分に気づく心理学(愛蔵版)
加藤諦三 2021年3月23日

プライム会員なら無料でダウンロードできるなんて
若手起業家の薄っぺらいハウツー本かなと思ったら、
昭和10年代生まれの元ハーバード研究員の大先生のご著作でした。

傷つきやすくて生きづらさを感じる読者に
その原因を分析しつつ励ます内容だ。

すれっからしの私は想定読者じゃなかったけれど
傷つきやすすぎて時々うんざりする仕事仲間のことを思いながら読んだ。

この本をこと教えたいけど、 傷ついちゃうかなあ。


遠藤周作講演 (新潮CDブック)

1986年と1990年の講演の録音
この年代の男性はどんだけ男尊女卑かなと
ちょっと怖かったんだけど

さすが世界を感動させる小説家
セクハラ発言で世界中に嘲われ辞任した
森オリンピック委員会会長とは
知能も思考もだいぶ違った。

内容は宗教をどう考えるかの真面目な内容で
狐狸庵先生の爆笑エッセイとはまた違う。


人生の勝算 (幻冬舎文庫)
前田裕二 2021年3月23日

ショールームという配信サービスも、このモーレツ社長のことも、
全く知らなかったけれど、とっても面白くて一気聞き。

DeNA の南場さんが著者から新卒内定を断られたのに
その後も何度もメールをしていた と知って
すごい人はすごいと感心した。


夢をかなえるゾウ1
水野敬也 2021年3月22日

色々な偉人を育てた神様の象と、ぼくとの対話形式という設定が面白い。
時々出てくる偉人のエピソードに感心したり、
なぜか関西弁の象の神様のとぼけた言い方に笑ったり。

410ページもある長い本だけど、ストレッチしながら・お皿洗いながら・
テレビのニュースを無音でつけて音はこの本で…、
ほぼ一日で聞き切ってしまった。

聞き読みってすごい。これで頭に残って行動が変わるなら。


大岡越前
吉川英治2021年3月18日

プライムリーディングで無料だったので
そろそろ老齢だし歴史物もいいかなとダウンロード。

iPhone の読み上げ機能の誤読がひどくて、
途中でギブアップ。

歴史ものは、新潮 CDでプロが読むのを聞くのがいいと思う。


現代洗脳のカラクリ
苫米地英人2021年3月15日

初めてこの著者の本を読んだ。
洗脳=苫米地さんというイメージはあったけど
その方法とそれが拠って立つ思想は全く知らなかった。

ブラック企業で恐怖マーケティングをしていた身としては
何の反論の余地もございません。



恋せよキモノ乙女 1巻: バンチコミックス
山崎零 2021年3月15日

若い世代向けの着物マンガ。
着物の描きかたも決まりもきちんとしていて、 安心して読める。

漫画なので聞くわけにいかず、 Kindle で見ました。


毎日が最後の晩餐-玉村流レシピ&エッセイ-
玉村 豊男2021年3月20日

おこもり旅行でたくさん食べるために
お腹が 空きそうな本をダウンロード。

ところがこの本は文字まで全て画像で
iPhone の読み上げ機能を使えなかった。

しかも図書館で借りたのかな、すでに読んだ本で。
でも75歳を超えてもこの健啖ぶり。
改めてすごいなと思いました。


コミュ障でも5分で増やせる超人脈術
メンタリストDaiGo2021年3月15日

ハンサムでヤングな YouTuber と思っていたら
大学の先生もされているそうで。

コミュ障といじめ体験を強調しすぎと思ったけど
いろいろなノウハウをデータを元に説明して面白かった。

外交的だけどいつも滑っちゃうおばさんの人脈術も教えて欲しいなあ。

友達を作るのには時間がかかる。
友情はすぐ薄れてしまうものだし。

最近はなんでも文字通信で電話もかけにくいし
コロナで会うこともできない。

人恋しいです。


面白くて眠れなくなる植物学
稲垣 栄洋2021年3月12日

へーなるほどと面白い話が次々出てきて
聞くそばから次々忘れてしまう。

iPhone の読み上げだと誤読も多くて
けっきょく聞いた後に Kindleで同じところを見て
復習したりして。

散歩でもしてる時に、りんごと赤ちょうちんが赤いのはね…。
とウンチクたれるぐらいはできそうだ。


世界を見てきた投資のプロが新入社員にこっそり教えている
驚くほどシンプルで一生使える投資の極意
加藤 航介 2021年3月11日

リタイア世代についてのアドバイスも 数ページある。

・年金を資産と考える
・世界バランス型投資信託がおすすめ
・つみたて NISA の対象商品は優良銘柄
・REIT や金などコモディティ資産が入っていると、より分散効果が期待できる

余裕がある人は毎月15万円ぐらい積立ろとも言っていたな。


科学的な適職
鈴木祐 2021年3月11日

転職しようか悩む人が、次の仕事がベターかを決める指標を指南する本。
今さら私が読んでも遅いけど。
こんなに悩まなくても 、それなりにお仕事見つかりますよと言いたいけど、
やっぱり時代が違うから、事情も違うのかな。

人が職業を選べるようになったのは19世紀に入ってから 。
たから仕事選びのノウハウは確立されていないし、不安になる。
というくだりにはなるほどと思った。

満足度高く働くには、通勤時間が短いこと。 職場の人間関係が良好なことが条件、というくだりにもね。

これからの皆さんには頑張って欲しいです。

最後は臼が笑う (Kindle Single)
森 絵都 2021年3月9日

これは短編小説で、ジムが完了しても面白くて止められず。
帰宅途中も家に帰ってからもずっと聞いてしまった。
小説を読んだのは久しぶり。新鮮だった。
下の大どんでん返し創作法のセオリー以上のストーリーです。
さすがプロ!


大どんでん返し創作法: 面白い物語を作るには
今井昭彦 2021年3月9日

たまたま無料と紹介されていたトップにあったのを聞いたら面白かったので
下の続編を購入。


面白いストーリーの作り方 スキルアップ編
今井昭彦 2021年3月10日

途中で止まっている自身の親の介護の話のここへのアップロードも、
一番言いたいことを最初に書き出そうと聞きながら考えていた。

聞き読みは、最初は Kindle に入ったままで読みきれていない本を聞いていた。
どこから読んでもちょっとの時間でも十分面白い内容のものを選んで。


FACTFULNESS(ファクトフルネス)
ハンス・ロスリング



トランピストはマスクをしない (文春e-book)
町山 智浩



名作うしろ読み (中公文庫)
斎藤美奈子

この本は夫のいびきがうるさくて眠れない夜に、
片耳にイヤホンをつけて聞くのにちょうどいい。

翌日記憶に残っている内容と自分で音声を止めた箇所との差が随分あって、
意外と早く眠っていたんだなと分かる。

紹介している名作を読みたくなるけれど、
古い本が多くて Kindleになっていない 。そのうち変わるかな。



稼ぐ話術「すぐできる」コツ
明日、あなたが話すと、「誰もが真剣に聞く」ようになる
金川 顕教 2021年2月28日

聞き読みの最初は、キンドルプライムリーディングで上位に出ていたこの本だった。

優秀なサラリーマンで今は経営者の著者が、
仕事を円滑に進め職場の人間関係を良好にするための
言葉の選びかたを色々教えてくれる。

カーネギーの「人を動かす」には大変感心したけれど、
これはもっと実直な実践編ですね。

コロナで仕事もない今、新しい仕事を始める年齢でもなく
私は新しい人間関係作りももう卒業したと思っている。
2019年にこの本↓を読んで、あまりに納得した感動はいまだ忘れないけれど。
もっと早く読んでれば、上の本の著者が言うようにもっと稼げたかもネ。